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ヘルペスは感染力が強力な性病

2020年04月11日

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(1型または2型)に感染すると発症する皮膚疾患で、病原体は非常に感染力が強力であるという特徴があります。口唇・性器にチクチクする強い痛みをともなう水疱や潰瘍(びらん)を発症し、自然治癒するまで1~3週間を要します。

WHOによれば、人類の半分以上が1型(HSV-1)の単純ヘルペスウイルスに感染しているとされています。HSV-1は子供の頃に口を通して感染するケースが多く、口唇に発症して口内炎を起こすことが多いとされています。ただし、HSV-1も性器に発症するケースがあります。2型の単純ヘルペスウイルス(HSV-2)は主に性器やその周辺に発症し、感染経路は性行為です。性器に発症する場合はHSV-2の方が症状が強く、性病のひとつとみなされています。

ヘルペスウイルスは、他の性病と比較して非常に感染力が強いことが知られています。口唇や性器に水疱(水ぶくれ)や潰瘍(びらん)を発症していると、患部から大量の病原体が排出されます。患部に接触するだけで、簡単に他の人に伝染してしまいます。口内炎を発症すると、唾液中にも多くのウイルスが含まれるようになります。そのため、唾液を通して他の人にうつしてしまうケースも少なくありません。

ほとんどの人は、60歳になるまでにHSV-1・HSV-2のどちらか片方または両方に感染します。成人までに唾液などを通してHSV-1に感染する人が多いですが、性行為を通してHSV-2に感染する人は少なくありません。既にHSV-1に感染している場合でも、性器ヘルペスを予防するためにはHSV-2をうつされないようにすることが大切です。

単純ヘルペスウイルスは皮膚の表面にできた患部(水泡や潰瘍)から病原体が排出されますが、発症していなくても別の方法で体外に排出されることが知られています。男性がHSVに感染すると自覚症状がなくても病原体が体内で増殖する場合があり、不定期に精液を通して排出されます。患部に接触しなくても、性行為の際にウイルスが含まれる体液を通して感染する恐れがあります。

性器ヘルペスを予防するためには、性行為の際にHSV-2に感染するのを防ぐことが大切です。発症中であれば患部に接触をすると感染してしまうので、接触を避けるために男性がコンドームを着用すると効果的です。性行為の際にコンドームを着用すれば、精液に含まれるウイルスに感染するのを防ぐ効果も期待できます。避妊の必要がないオーラルセックスの際も、病原体の感染を予防するためにコンドームを着用することが大切です。HSVの感染力は非常に強力なので、しっかりと予防するようにしましょう。

細菌が原因で発症する性病(梅毒・淋病・クラミジアなど)は、治療薬を服用すれば体内の病原菌を死滅させることで完治が可能です。ただし完治後でも終生免疫を獲得することができないので、再び病原菌に感染すると再発します。そのため治療を受けて完治させた後も自分がパートナーにうつした病気に再感染を起こす場合があり、ピンポン感染と呼びます。再感染(ピンポン感染)の恐れがある性病に罹ったら、パートナーと一緒に治療を受ける必要があります。

単純ヘルペスウイルスは感染後に神経節の内部に不活性な状態で潜伏し続けるので、体内の病原体を排除することができません。治療薬を服用すれば病原体の増殖を抑えて治癒を早めることができますが、完治させることができないので再発をする恐れがあります。体内のウイルスを排除することができないヘルペスは再感染(ピンポン感染)をすることがありませんが、発症を防ぐためには病原体に感染しないことが大切です。